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トレッキングポールのたくさんある種類の特徴と使い方

歩き慣れていない、長時間の歩行に自信がない、体力がない人の心強い味方になってくれるトレッキングポール。 メーカーごとに仕様がかなり異なるので、しっかりチェックを。

正しく使えばありがたみ100倍
トレッキングポールは歩行リズムを作れたり、足に掛かる重さを分散できるなど、初心者にとっては心強いアイテムだ。 ポールという共通点だけで、細かい部分はメーカーによって大きく異なる。素材(カーボンもしくはアルミ)の違い、伸縮のシステム、持ち手(グリップ)の素材、衝撃吸収システムの有無など、チェックすべきポイントは多い。 1本で買えるモデルもあるが、前述した効果は2本揃って初めて実感できるものなので、迷わずセットで購入しよう。

ポールの特徴と使い方
ひと口にポールと言ってもポールの素材をはじめ、持ち手の形状やポールの伸縮方法などさまざま。 お店で迷わないためにも基本的なことを頭に入れておこう。

グリップの形状
長時間、握っていても疲れにくい形がいいグリップといえる。形状はメーカーによってさまざまだが、どの形がいいかは使う側の好みによる。グリップの素材もラパーやコルクなどいくつかの種類がある

T型グリップ
いわゆる杖のグリップ形を使っているもので、上から覆いかぶせるようにして握る

I型ロンググリップ
I型クリップのさらに下のシャフト部分にもラバーを張り込んであるタイプ。上りに重宝する

I型グリップ
一番ベーシックなグリップ。

組み立てのタイプ
伸縮式シャフトの場合は、継ぎ目部分の機構はスクリュータイプかロックタイプがほとんど。また、トレイルランニングのポールから派生した組み立てモデルは、インナーチューブやケブラなどを使ったワンタッチ式がある

ポールは3本目、4本自の足!
トレッキングポールのありがたみを特に感じられるのが、重い荷物を背負っての行動時。ズシリと重いバックパックを支えるなら2本足よりも3本足、4本足のほうが安定するし、歩きやすくなる。また、慣れれば左右のブレにも対応できるようになる

リズムよく歩ける
上り下りの少ない平坦な道では、ポールの重さを利用して振り子のように腕を前後させることで、一定の歩くリズムを作ることができる。慣れないうちは、イッチニィと声を出しながら歩いてみるといい。自然と足が前へと出るようになる

特に下りにうれしい
長い下りが続くような道では、ヒザを痛めてしまうことが多い。ポールを一歩先に突き、そこに体の重さを移すことで、足への加重負担はかなり軽減されていく。ポールをやや長めに設定して、小股で歩くことを心がけよう。ドシドシ歩きは絶対にダメ

メンズモデルとウィメンズモデルがある
ユニセックスのモデルがほとんどだったトレッキングポールにも、女性専用が誕生している。メーカーによってもいろいろだが、メンズに比してグリップの長さを短めに軽量化を図ったり、デザインや色使いを女性向けにしたりなど、さまざまな工夫がある

足回りの下支えにはタブルストックが有効

トレッキングポール1本じゃなくて、両手で使う2本使い、つまりダブルストックにはこだわっている。 二本足より三本足のほうが安心という杖は、頭の中で補助として使われる。それに対してダブルストックを、体の補助として導入している。その違いは決定的なのだが、言葉で理解できる人はそう多くない。

見た目の違いは登りでわかる。杖は前につくが、スキーのストックワークを応用するダブルストックでは後ろから押し上げる。登りで杖を前に突くのは、パランスが崩れるのを防ぎたい気持ちによる。転ばないから安心して足を踏み出せる、という点においていくぶんのパワーサポートもあるけれど、消極的なところにとどまっている。バランスアシストなのである。

スキーのストックワークではどうするのか? スキーが後ろに逆戻りするのを防ぎつつ、後ろから押し上げて前進する。バランスではなく、パワーのサポートに徹している。 そういう説明をするのだが、見ているとみなさん、ダブルストックが杖になっていく。頭のほうの、バランスに対する不安から、ストックが「杖化」していってしまう。人によっては片手にだけ神経がいっていて、もう一方はほとんど運んでいるだけという不自然な使い方になっていく。

体力の衰えを感じた人には、登りでのストックによるパワーアシストを身につけてもらいたいのだ。わかりやすいのは大きな段差の登りのとき。ストックを二本とも足下に突いて、下から体を押し上げるというダブル同時使用である。足に要求される大きな力の一部を肩代わりさせることによって、足への負担を軽減できる。登りはともかく、山歩きに積極的にストックを導入しようとしたきっかけは、下りの危機管理においてだった。ある女性が木の根の張った急な下りで、完全にスローダウンしてしまったのだ。下りでも、段差が自分のコントロール領域を超えるとスピードが落ちるし、転倒事故の危険も増える。

それを改善するというのは簡単だった。体重をあずけることのできる信頼できるストックをダブルで使えばいい。腕力のない女性でも、下りの段差のコントロール域を広げることができ、スピードも確実にアップできる、と考えたのだ。さらにひざへの負担を徹底的に低減することも可能だとわかってきた。 ひざに不安をかかえる人に、負担の一部をダブルストックが肩代わりしてくれるので、むしろ積極的にひざを使っていく歩き方を提案することもできるようになった。